今月17日に開幕するVCT PACIFIC 2024 KICK-OFFに出場する韓国のT1ですが、同チームのコーチを務めるAutumnが新ロスターに対する感触をDAILY e-SPORTSのインタビューで語りました。

以下、記事から一部抜粋した文章を掲載しています。また前回インタビューの続きとなります。

T1はシーズン終了後、Munchkin、Ban、iNTROと契約を終了した。そして新たにiZu、xccurate、Rossyが加入し、チームの主力でIGLを務めたxetaはサブメンバーに降格した。チームの過半数を入れ替えた大幅な再編成を行ったT1だが、ヘッドコーチのAutumnは再編成を進める過程で最も重視した点を"将来性"と話す。

「選手の一部は兵役の問題もあり、長く一緒にプレイすることができない状況でした。このような状況で成績のみを重視した場合、将来的に失うものが多く出てきます。」

「今年は育成と上位入賞を同時に狙った再編成を行いました。当面の成績より、安定したパフォーマンス、そしてポテンシャルを持つ選手を選抜しました。スカウトの時点で成長期待値を重視しており、幸いにもそのような選手が何人かいました。」

「今回の再編成を象徴する選手は、iZuです。昨年のVALORANT Champions 2023の直前から獲得を狙っていました。スクリムでのパフォーマンスを見た時、こんなに優れた選手がいるのかといった印象を持ちました。」

「もちろん、私たちチームにはSayaplayerという優れたデュエリストがいます。私がコーチを務める以上、彼のポジションを変えることは考えていません。そのため、iZuの加入に当たり、彼のロールを変更しないといけないといった問題がありましたが、それを凌駕するほどの才能を彼は持ち合わせていました。」

「そして、彼のプロ意識の高さを私は評価しています。選手の中には現在の年俸やポジションに集中する選手も多い一方、将来性や成長を考慮する選手もいます。私は明確に後者を好むタイプですが、iZuもそのタイプでした。」

「多くのチームが彼の獲得のために競り合い、契約時にはスターティングメンバーの座も保証できない状況でした。当時私は彼に、私はどのような人間で、どのようなチームを作っていきたいか、そしてiZuという選手がどのような役割を担う必要があるか、ビジョンを伝えました。」

「そして、スターティングメンバーとして起用できなかった場合、レンタル移籍として他チームに送り出すことを提案しました。レンタルとして送り出し、成長した時にまたチームで起用することがコーチとしての私の希望と話しました。多くの選手はこの提案を受け入れないでしょう。しかし、彼は喜んで提案を受け入れ、チームに加入を決意してくれました。」

「レンタルで他チームへ移籍する可能性がある中、T1への加入を決断してくれたiZuですが、いざ練習を始めてみると、彼の成長を見守るといった意見が変わりました。スクリムの初戦から彼は素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。最初の試合を見るやいなや、彼をスターティングメンバーに入れることを決定しました。」

「彼は才能もさることながら、プロ意識も非常に高いです。成功者のマインドです。フィードバックを受けても臆することなく、自分のプレイに対する自信があります。そして、器も非常に大きいです。当面自分が活躍できない場合があったとしても、自分の成長を選ぶことができる選手です。」

「このような選手に出会ったのは、彼で2人目です。1人目はDRX所属のBuZzで、彼も当初はポテンシャルとプロ意識の高さに満ち溢れた選手でした。彼はBuZzのように世界最高の選手に成長するでしょう。」

iZuが加入を快く引き受けてくれた一方、xccurateは1年の時を経て加入してくれた選手だとAutumnは語る。

「昨シーズン開幕前、Carpeのポジションにxccurateを検討していました。当時は本人から選手を休養したいといった意向と、VALORANTの競技シーンに対する不安もあったと思います。そのため、当時オファーは送ったものの、不発に終わりました。」

「そして今シーズンの移籍市場で、私たちが欲しかった選手と交渉が決裂した後、再び彼に『トライアウトに参加してくれないか?』と連絡したところ、快く受け入れてくれました。」

「T1のゼネラルマネージャーにも交渉を手伝ってもらい、チーム側の多くのサポートのおかげで彼の契約に至りました。『パシフィックリーグで弟と対戦しないか?』といった私のアピールも届いたようです。」

「彼にはVALORANTの選手経験がないため足りない点もありましたが、それでもゲームセンスやコール、撃ち合いは全て納得いくレベルでした。あとは経験を積むだけですが、すぐにでもスターティングメンバーとして使いたい素質を持った選手でした。」

そして最後に加入したRossyについては、k1Ngの脱退と関係があるとAutumnは話す。

「k1Ngは本来、スターティングメンバーとしてチームに加入しました。もちろん実力も申し分なく、期待していました。しかし、私たちのコミュニケーションは英語です。彼はその部分で苦労していました。」

「彼自身も英語がコミュニケーションになると知ってチームに加入してくれましたが、実際に練習を始めてみると思った以上に連携が取れず、『本当に申し訳ない』と彼から私に謝ってくる時もありました。」

「意思疎通がうまく取れないため、試合中でも決定的な問題が発生した時もあります。また、オフシーズンは基礎を固めることを練習で意識していましたが、スクリムの勝率が思ったより上がらず、本人も悔しさを感じたのでしょうか。彼自身から『ベンチに下がりたい』と私に話してくれました。」

「当時は各チームの再編成も終了し、移籍市場も終わりつつありました。そのような状況でスターティングメンバーを探す必要があったため、アメリカ地域しか有望な選手が残っていませんでした。」

「RossyはもともとアメリカのTier 2で注目していた選手です。彼を指導してきたコーチたちに個人的に連絡を取ったところ、全員が『彼は良い選手だよ』と返してきました。アメリカでは『毒舌すぎる』と評価されるほど、プロ意識とゲーム理解度が高いことで知られていたようです。そしてトライアルを行い、結果も非常に良かったため契約する運びになりました。」

長いプロセスを経て、T1のスターティングメンバーはSayaplyer、Carpe、iZu、Rossy、xccurateとなった。Autumnは今回のロスターについて「絶対にパシフィックで優勝できる」と自信をもって話す。

「何度も語ったように、長期的な視点で再編成を行いました。しかし、それでも現在のチームの状況とコンディションを見ていると、パシフィックリーグで絶対に優勝できると確信しています。」

「私はもともと客観的にチームを見るタイプです。昨シーズンはすぐに結果は残せない、成長に期待していると率直に話していました。しかし、今シーズンは違います。国際大会はともかく、パシフィックで絶対に優勝できると確信しています。」

「私たちチームの特色は、多様性です。iZu、xccurateもマップによっては役割が変わってきます。あるマップではデュエリストをし、あるマップではイニシエーターをするでしょう。Rossyについてご存じない方は多いと思いますが、彼は本来センチネルです。サイファーのようなラーカーをよく使用していました。今シーズンはマップごとに流動的に選手の役割を入れ替えていくでしょう。」

「また、IGLはCarpeが担います。私がIGLに望む役割はリーダーシップです。画期的なコールは特に望んでいません。サブコーラーが提案をし、IGLがその中で方向性を決める役割を担います。」

「前シーズンにIGLを担当したxetaは、サブコーラーと作戦を調整する過程でストレスを感じていました。一方、Carpeは自分がリーダーシップを取り、コールを受け入れます。現在、Rossy、xccurataのような選手が作戦を提案し、Carpeがそれをまとめてチームの作戦を決定する方針を取っています。長期的に見ても、良い方向に進んでいると思います。」

Autumnはインタビューの最後で他チームへの印象と最も警戒すべきチーム、そしてファンに感謝を話した。

「Paper Rexはパシフィックで最も強いチームです。その他では同じ韓国チームのDRX、Gen.Gも注意すべき存在です。また、RRQ、Team Secretも想像以上に良いプレイをしてくると思います。Bleed Esportsには爆発力にあります。そして、DetonatioN FocusMeは昨シーズンより良い成績を収めるでしょう。総括すると、今年は昨年より激しいリーグになると思います。」

「今年はロスターの変更が多くあり、不安に思われたファンの方もいると思います。しかし今回のインタビューで話したように、長期性を見ての決断です。今いる選手たちは私の考えに共感し、共に戦ってくれることを選択してくれた選手です。本当に努力してくれています。」

「現在、エージェント構成のテストなどを除き、真剣に取り組んだスクリムのみ計算すれば勝率は70%以上です。今シーズンはきっと応援したくなるチームになると思います。応援よろしくお願いします。」

31 コメント

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  1. マンチキンがbanにパワハラしてxetaもマンチキンとの関係で悩んでたんだろうな。GENGは崩壊してしまわないか心配

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    1. 環境は変わっていくものとはいえマンチキンのこのスタイルでCRが日本を制したのは事実だから、メンバー変わってGENGにもいい方向で作用してくれることを願う
      お互い十全な状態でDFM対GENGが見れるといいが

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    2. CRの時はある意味実力が対等じゃないから他のメンバーがついていきやすかったとかあるんじゃない?世界大会じゃ結局コミュエラってたけど

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  2. dfmは去年より酷い結果はないもんね

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    1. あんなんでも去年2マップ取ってるから今年1マップ以下だと酷い結果になる

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    2. GlobalE-stportsに1マップ、あと他のチームに奇跡的に1マップ取れるとは思う。

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  3. ZETA、TLN、GEについては触れてくれないんか?

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  4. この人のインタビュー記事は色々喋ってくれるから面白くて好き:

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  5. T1も面白そうだなあ

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  6. 最下位候補のGE TLNと同じく触れられないZETA
    どこかのTier表でもDFMより下、または同じTierに位置するZETA
    まじでDFMはZETAに勝つんじゃないか?

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    1. ZETAは何もわからんやん
      DFMは偉業を成し遂げたんだから触れられるに決まってる

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    2. 10チーム中4チームも最下位候補に挙げるな

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  7. 今年の形式だとZETAとDFMが直接対決するとしても当分先だろう

    T1はインターナショナルリーグ優勝すると思う

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  8. この人めちゃくちゃ喋ってくれるから良いな

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  9. xccurateの読みって何?
    エクスキュレイト?

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  10. 触れられすらしないZETA

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  11. なんでking入らないのか不思議だったけど、英語話せなかったのか

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  12. T1コーチのインタビューは毎回情報密度高いから助かるわ変にイキったりもしないし

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  13. インタビュー1つでウキウキで草

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  14. 一時的なものだと思いたいけど明確に弱体化したDRXと引っ張ってたデュエが変わったPRXに対してT1はオフシーズン見てても昨シーズンより良くなってそうだからパシフィック優勝あるんじゃないかと期待しちゃうね
    好きな選手も多いし楽しみだな

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  15. ZETAはメンバー変更だけ見たら、ダウングレードって思われても仕方ないしここで触れるような事じゃなかったんでしょ

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    1. スクリムしてないと評価なんてできないと思うけどDFMとはスクリムしてるのにZETAはスクリムすらしてもらえないってこと?惨めすぎだろ

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    2. なんでわざわざ全チーム触れる前提なんだよw

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  16. 逆に一番プレッシャーかかる

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  17. RiotOneであまりにもボコられすぎて脳が破壊されちゃったのかわいそう......

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  18. DFMが去年より強化されてるって認識してるの意外だな
    このインタビュー時にJoxjo,suggestが抜けてたかはわからないけど

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  19. kingそういえばどこいったんだ?今のところ中国リーグにいったとも聞かないし

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