今月17日に開幕するVCT PACIFIC 2024 KICK-OFFに出場する韓国のT1ですが、同チームのヘッドコーチを務めるAutumnが昨シーズンの振り返り、そして今年度初の目標をDAILY e-SPORTSのインタビューで語りました。以下、記事から一部抜粋した文章を引用しています。

ヘッドコーチを務めるAutumnは昨年を「コーチキャリアの中で最も記憶に残る1年」と語った。PUBGのコーチとしてキャリアをスタートしたAutumnは、現在コーチ歴7年目になる。eスポーツ業界のコーチとしては少なくない経歴で、特に歴史が浅いVALORANTではベテランに属する。

彼は「昨年は最も記憶に残る年でした。様々なストーリーもあり、大変なこともありましたが、やりがいのある瞬間も多くありました」と2023年を総括した。また、チームのデュエリストを務めたSayaplayerに助けられた1年だったと振り返る。

「才能ある選手たちが良いプレイをしてくれました。Sayaplayerは特に先陣を切り、活躍してくれました。実力的に見ても優秀な選手ですが、昨年は良いリーダーシップを見せてくれました。率先して練習をする雰囲気を作ったり、私が厳しい練習スケジュールを提案しても、チーム全員でそれに従う雰囲気を作ってくれました。」

「昨年は選手個人がマインドコントロールやリーダーシップの面で成長していると感じました。もちろん私も手伝いましたが、それとは別にSayaplayerのリーダーシップとゲームに対する意識に感銘を受けました。それがチームの大きな支えになりました。」

また、チームの雰囲気が切り替わった瞬間について、VCT PACIFIC 2023のレギュラーシーズンで2連敗した時期を挙げた。そこがチームのターニングポイントとなったのだ。

「レギュラーシーズンでは開幕から2連勝を挙げましたが、そこでPaper Rexに敗れてしまいました。彼らは元から強力でしたが、当時はsomethingが加入したばかりでした。そのため、負けてもチームの雰囲気は悪くなりませんでした。」

「しかし、次戦のGen.G戦は『絶対に負けてはいけない』といった空気がチーム内で漂っていました。そして結果はボロ負けでした。その敗北がチームに衝撃を与えました。」

「その時からチームの士気を挙げることを意識しました。それまではチーム全体で緩んでいる感じがありました。例えば、オフィスへの出勤時間が午後1時なら、選手たちは午後1時に練習室に入り昼食を食べていました。そうすると、練習は1時40分からになっていました。」

「シーズンの序盤からこういった緩みがあったわけではありません。リーグが進むにつれ、自然に選手たちの気が緩み出してきました。このような部分をこれまで許していましたが、再び厳しくしました。」

もう1つの変化は、コーチの話をしっかりと聞く雰囲気を作ったことと彼は話す。

「チームには外国人コーチ(Stunner)が1人います。当時、一部の選手が彼の意見を聞かない時期がありました。そのため、コーチがやりたい戦略を上手くできない期間がありました。選手たちには『コーチが指示することは無条件で従うように』と指示し、それでも駄目なら私が介入すると話しました。」

ゲーム面ではコールのバランスを調整したと彼は語る。

「IGLが指示を出すよりも、複数の選手で指示を出すことを個人的には好んでいます。しかし、5人全員が話し出すと雑になるため、IGLと同じくらい決定権を持つサブIGLを重要視しています。彼含め2~3人でコールを出すことが私の理想的な考えです。初期はそのバランスがかなり崩れていましたが、そういったところも修正していきました。」

「しかし、すぐに劇的な変化が訪れたわけではありません。当時、スクリムの勝率は20%にも満たなかったため、チームの雰囲気はどんどん悪化していきました。特に昨年のロスターはベテランの選手が多く、彼らは負けず嫌いでした。負けた時が一番苦しそうでした。」

「そして私が選手全員を集め、全員で雰囲気を良くしようと話しました。そしたらコーチが話していた戦術もしっかりとこなし、作戦も上手くいきました。スクリムの勝率も嘘のように上がり、チームの雰囲気もかなり改善されました。」

勢いに乗ったT1は、VCT PACIFIC 2023で見事プレイオフ進出を果たし、DRXとフルセットで戦った接戦の末に3位を収めた。しかし、その後のMasters Tokyo、Championsでは早々に敗退し、悔しさが残る結果となった。Autumnは国際大会について、以下のように振り返った。

「Mastersより、Championsの敗退に悔しさが募りました。Mastersが成長の過程だとしたら、Championsは1年の集大成を披露する場所です。それを披露できなかったことが、一番の悔しいところでした。」

「しかし、得るものは多かったと思います。VCT PACIFIC 2023で作った良い雰囲気のまま出場した大会です。国際大会に進出した強豪チームに対しても、スクリムの勝利は70%に近づくほど雰囲気は最高でした。FNATIC、Evil Geniusesにも勝利を収めました。しかし、どうしても勝てないチームもありました。EDward Gaming、Paper Rexです。2チームとのスクリムの戦績は3勝27敗でした。」

T1はMasters Tokyoのグループステージで偶然にもEDward Gamingと初戦で対戦した。そして2-1で見事勝利を収めた。しかし続く試合でNRGに敗れ、グループ通過をかけた試合でEDward Gamingにリベンジを果たされたのだ。当時について、Autumnは以下のように語った。

「Edward Gamingに初戦で勝利しましたが、私たちが上手くプレイしたというよりは、彼らの国際戦の経験不足から本来の実力を発揮できなかったことが大きかったと感じました。だからこそ、次のNRG戦は勝つ必要がありました。」

「NRGに負けた理由は些細なミスが原因でしたが、当時はまだ成長過程であったことを考えると、ミスさえなければ勝つことが出来たと考えると前向きに捉えることができました。Championsまでこのまま成長すれば、良い成績が残せると感じていました。」

しかし、VALORANT Champions 2023でAutumnは期待したほどの結果を残すことできなかったと振り返る。

「VALORANT Champions 2023は1年の最後の大会であり、VALORANTの史上最高の大会です。先ほども話しましたが、T1には負けず嫌いな選手が多く在籍しています。そのため、選手たちが後悔を残さないよう、コーチである私の意見より、自分が正しいと思う判断を優先するよう言い聞かせました。」

チームの雰囲気によってパフォーマンスに影響が出る選手も多くいるが、banは特に影響を受けた選手だったと話す。昨年の残念だった部分としては、banのパフォーマンス、そしてコールについてあげた。

「選手の中にはフィードバックを受けた時に成長する選手もいますが、メンタルケアを行ってからフィードバックを受けなければ成長しない選手もいます。banは明らかに後者でした。」

「選手の中にはスクリムで悪いプレイをすると、banに『このプレイのどこが悪かった?』とフィードバックをする選手がいました。そのため、その都度質問に答えないといけない彼は本当に大変そうでした。もちろん、コーチの私が至らなかった点もあります。選手の私に対する信頼が足りていないかもしれません。しかしその過程で、banのパフォーマンスが非常に落ちました。スクリムでは彼がスコア最下位になる状況が続きました。」

「また、シーズン中にコールが崩れました。選手の誰かコーチ陣の意見に同意しなかったため、Gen.Gに敗れた時の悪かった当時の状況に戻りました。コーチとして私は非常に残念でしたし、選手たちを導くことができなかった私のせいでもありますが、Masters、Championsと少しずつ成長していたにも関わらず、その流れが途切れたことが残念でした。Championsではグループ訳も良かったですが、このような問題のため結果は散々でした。」

AutumnはChampionsでの敗退がチームの再編成を決定した瞬間だと率直に話した。

「Championsで残念な結果に終わったことから、私と同じ考えを共有できるチームを作る必要があると感じました。私をサポートできる、私の方向性に同意できる選手が必要でした。」

しかし、再編成の理由は悔しさだけではない。Autumnはもっと大きな絵を描いていた。スポーツが好きだと話す彼は、マネジメントの部分を注視している。チームのロールモデルとして、サッカープレミアリーグのアーセナルを挙げた。

「Amazonで公開中のドキュメンタリーALL OR NOTHINGに大きな影響を受けました。そのドキュメンタリーでアーセナルの監督も、チームの主力ストライカーが雰囲気を壊した時に、自分の決断を果敢に押し切りペナルティを与えていました。そうやってチームを作り、成功しました。これが監督の力量だと思います。監督として確かな色と粘り強さを持つことで、長期的にチームを構築することができます。」

彼はチームの目標として、アーセナルのように長期的にチームを作り上げること、そして直近の大会でも好成績を収めることと、一度に二兎を追うことを求めている。

「韓国のVALORANTシーンはどんどん強くなっていくと感じています。今の人材と3年後の人材は全く違うと思います。今急いでチームを作るよりも、若手選手にあのチームに加入すれば成長できるといったイメージを植え付けることが大切です。」

「だからといって、直近の大会を諦めるわけではありません。結果を残すことができなければ、そのようなイメージを作ることはできません。その2つを同時に構築することが、監督しての私の目標です。」

28 コメント

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  1. コーチって大変なんやな

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  2. 言うこと聞かなかったの絶対マンチキンじゃん

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  3. コーチの話はどこも興味深くておもろいな

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  4. 「選手の誰かコーチ陣の意見に同意しなかったため」

    アーカイブ消されちゃったけどrionが前に配信でMunchkinは性格に少し問題があるとか言ってたけど徐々に露呈してきたなCRの時も王様みたいな扱い受けてたらしいし

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    1. CRの時はMunchkinのおかげで優勝したから当然
      その時に調子に乗ったのがだめだったね

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    2. まぁCRの中じゃ他のメンツが弱すぎて圧倒的ではあったがそんなエゴイストだったのかマンチ

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    3. CRどころかソウルダイナスティ時代にも悪い噂はあったよな
      その時はまだRedditとか4chの書き込みレベルだったけど

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    4. CRの時デュエになる前から謎のオペ二本目だしたりしてたし結構自我強そうな雰囲気は外から感じてた

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  5. 言う事聞かなかったのマンチかな

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  6. そんなT1が評価してたJDTがSZに負けたって考えると面白いね

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  7. 戦術無視したの絶対にMunchkinやんw
    韓国はデュエリスト以外もエゴイスト居てほんま笑うわ

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  8. 絶対従わなかったのマンチキンじゃん...

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  9. マンチキンってやっぱ問題あるん?

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    1. 普通にあるよ、banにパワハラしてたのもマンチキンだったってkrのキャスターがリークしてたし

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  10. どこが悪かったと思う?言ってみ?😄

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  11. Autumnしかスクリムとかの内部状況語ってくれないからほんとありがてえ

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  12. やっぱコリアンDPSは変な性格多いのかな

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  13. そしてその後の彼の発言で

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  14. 相性悪いチームの特徴が分かりやすいな

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  15. 組織のリーダーとしてのコーチか、あくまでサポート、客観的戦術的なアナリストとしてのコーチか
    コーチっていうポジションに対する認識が選手達とコーチ陣でズレてたってことなんだろうな
    ベテラン勢はコーチポジションが一般的じゃない時代から選手やってるから後者として見がちなのかなと思った

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    1. スポーツはどの種目でもあるあるやね。もうプロって言われる世界は我の強い下のカテゴリでスーパーマンみたいな今まで4番しか打ったことないみたいなのが野球なら2軍でも9人集まるから。。。監督コーチはそれらを力で抑えてチームとして成り立たせるか同じ目線まで下がってコミュニケーションとって纏めるか難しい所やねー。

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  16. なんでこうも韓国のセンチはマンチもk1ngも発言に問題あるねんww

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    1. k1ng何か問題発言あった?

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  17. 今度はgengが瓦解したりする?

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  18. チームから外れたやつやいるから答え合わせになるの草

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  19. コーチは監督じゃないから俺は同意できないな
    選手とコーチの関係性はフラットであるべき
    こいつがやってることはマネジメントじゃなくて独裁

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    1. コーチの意見無視するのって選手優位でフラットじゃなくない?

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    2. コーチの意見に納得できないなら理屈でもって反論すれば良いんだよ
      そうやって話し合って皆が納得する着地点を見つけるのが大人だしフラットな関係のチームでしょ
      無視するとか1番しょーもないよガキのやり方
      相手のこと下に見てなきゃしないよフラットじゃなくしてるのは選手の方

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