Demon1「ライバルはいない。ライバルは昨年の自分自身だ。」

Masters Madridへの出場をかけたVCT AMERICAS 2024 KICK-OFFがロサンゼルスで開催中ですが、NRGに所属するEthan、Demon1が今大会に向けた意気込みを語りました。以下、インタビューから一部抜粋したコメントを引用しています（インタビューはFURIA戦前）。

今シーズンに向けた期待を教えてください。

Ethan：期待は間違いなく大きいです。しかし、それは当然だと思います。私たちチームには多くの世界王者がいます。調子が良い時の彼らは本当に優秀です。今私たちに重要なことは、全員がそのパフォーマンスまで上げることです。

Demon1：個人的な目標は、再び世界No.1の選手になることです。昨年と同じ結果を残すことができると、世界に証明したいです。そしてチームとしては多くのタイトルを取りたいと思っています。

2024年度の大会形式は賛否両論の意見がありますが、お二人はどう感じていますか？

Ethan：試合数自体かなり減り、個人的にはあまり好きではありません。むしろもっと試合をしたいと思いました。視聴者にとってもその方がいいと思います。

選手側の意見として、開幕からすぐにスタートダッシュを切る必要があるため、ウォーミングアップを行う時間はあまりありません。今回の大会はダブルエリミネーション形式のため、負けたとしても1回はチャンスがありますが、それでもウォーミングアップにはならないでしょう。

Demon1：実を言うと、今年の試合形式をまだ確認していません。今私が知っていることは、2月に大会があるよってことだけです。それ以外はただ試合をこなすだけって感じです。試合形式については何も話せません。

Ethan選手はNRGに移籍してIGLに就任しましたが、久々にIGLとなった感想を教えてください。

Ethan：以前と大きな変化はありません。私は常にIGLの下でコールをサポートしていたため、いつもやっていたことにちょっと仕事を増やした程度と考えています。

慣れるにはまだ時間がかかりそうですが、幸運なことに常に助けてくれる優秀な選手たちに囲まれています。そのため、IGLとしても非常に指示を出しやすいです。

昨シーズンはBoostio選手のIGLの下でプレイしていましたが、次はEthan選手がチームを率いる番です。彼とのプレイスタイルの違いなどについて教えてください。

Ethan：正直よくわかりません。しかし、一緒にプレイしていた感想としては彼は非常にリラックスしたようなゆるい感じでした。

Evil Geniusesでは全員が共通の意識を持っていたため、それが助けになっていたと思います。ある試合では彼（Boostio）が指示を出す前に、メンバー全員が何をするのかわかっていた時がありました。

同じような展開を何度見てきたため、特定のプレイやキルログが流れると、指示が出る前にどのように動くか分かっていました。それがチームを大きく成長させたと思います。しかし最初からそうだったわけではなく、その域まで達するまで時間もかかりました。そのため、何事も問題解決には時間が必要だと思います。

先ほども言ったように、1人1人が優秀な選手で、チーム全体の親和性も良かった場合、それはIGLにとって非常に大きな助けになります。そういった環境だと、新しいメンバーで活動を始めたとして、完全に0からのスタートではないと思います。

Demon1選手に質問です。Evil GeniusesからNRGに移籍し、新しいチーム環境はあなたのプレイスタイルやメンタルにどのような影響を与えましたか？

Demon1：非常に良い感じです。メンバー全員の仲もいいですし、私も特に悪い影響は受けていないと思います。チームワークも非常に良いと思います。そして毎日練度も向上しています。練習もうまく進んでおり、チーム全体としても好調だと思います。

プレイスタイルも昨年とほぼ同じだと考えています。メンバーが変わったからとはいえ、アグレッシブになりすぎたり、その逆になったりすることもありません。同じだと思います。それが私の仕事であり、私の役割なのです。

今年も優勝できると感じていますか？

Demon1：チームも本当に良い感じです。私たちは間違いなく他のチームより頭一つ抜けているでしょう。この1年間を戦い抜き、優勝を勝ち取りたいと思います。

昨年優勝した時に「Demon1は2023年のMVPだ」といったコメントが多くありました。今はTenZ、aspasといった選手が好調な様子を見せていますが、まだNo.1を維持できると思いますか？

Demon1：ライバルはいません。私は昨年の自分を凌駕しようと努めています。ライバルは昨年の自分自身です。

今大会初戦ではFURIAと対戦します。印象はいかがですか？

Ethan：試合を見たことがないチームの印象を話すのは非常に難しいですね。昨年末時点だったら、どのチームも最低3大会に出場しているため、予想もできたでしょう。

しかし、今回は相手チームの情報が全くありません。そのため、自分のチームだけを心配すればいいと思います。自分たちがベストを尽くすことができれば、きっとうまくいくでしょう。

同じグループのCloud9、MIBRについてはどう思いますか？

Ethan：Cloud9はLudwigの大会で少し対戦しました。あまり期待できるプレイは見られませんでしたが、全てのチームが毎日練習を重ねていると思うため、きっと良くなっているでしょう。試合が楽しみです。

マッププールからヘイヴンとパールが削除されましたが、現在のマッププールについてどう感じていますか？チームの作戦に影響はでましたか？

Ethan：長い間ブリーズはプレイしていなかったため、少し思い出すための時間が必要でした。アイスボックスはリワークされましたが、それほど大きく変わった気もしません。

個人的には現在のマッププールにがっかりしています。パールとヘイブンの方が、より戦略的なマップだと感じます。また、パールとヘイヴンは3つのボムサイトがあるため、観戦していても楽しいと思います。プレイも楽しいですが、チームが対戦相手に適応していく様子を見るのが好きでした。新しいマップを導入したい気持ちも分かりますが、個人的には微妙な感じです。

Demon1：私たちのマッププールには特に影響はありません。新しいチームということもありますが、マップ自体も去年と今年では変わっているため、新たな作戦が必要だと思います。そのため、新たに追加されたマップについては長らく同じメンバーでプレイしているチームも同じ状況だと思います。

ロータスやアイスボックスなどいくつかのマップにアップデートがありました。これらの変更についてどう思いますか？

Demon1：ロータスは良い感じだと思います。Aの変更は個人的に好きです。Cサイトもいいと思います。

アイスボックスに関しては、開発陣の意図があまり分かりません。コミュニティが求めていたものはAサイトの変更ですが、結局何も変更はありませんでした。その結果、アタッカー側は12ラウンド連続でAサイトにいき、ラウンドを連取するといった状況が続いています。考えるまでもない、単純な試合が続いています。

キルジョイやスカイなど特定のエージェントが弱体化され、サイファーの強化が行われました。メタにどのような変化が現れると思いますか？

Ethan：キルジョイの調整に関してはそこまで大きな変化はないと思います。もう少し具体的に調整すべきだったと思います。タレットも十分に使えているため、メタには特に影響ないとありません。

スカイに関しては、今後フラッシュを大事に使う必要があります。今は2回しか使用できず、チャージもされませんが、プレイ方法は特に変わないため問題ないと思います。今回の変更で大きな変更は特になかったと思いますが、メタがどう移り変わっていくか競技シーンを見てみましょう。スカイには3つのフラッシュが必要と思いますが、今後状況に応じて調整されていくと思います。

Demon1：ほかの選手やチームには影響あるかもしれませんが、私たちのチームは多彩な選手が揃っています。その代わりとなるエージェントをプレイできるため、それほど影響はないと思います。

メタも基本的には変わらないと思います。多少の変化はあっても、全てが変わるような変化はありません。新武器のアウトローが追加され、マップも変わりましたが、特段気を付けることはないと思います。

お二人は昨年の世界王者ですが、その調子を維持しなければいけないといったプレッシャーはありますか？

Ethan：多くの人が期待していると思いますが、実際には昨年のEGは崩壊しました。当時のメンバーは皆バラバラのチームにいます。1人か2人しかチームに元世界王者がいないのに、優勝への期待を持つのはちょっと難しいと思います。5人全員が揃っていたら期待されていたかもしれません。

NRGには私とDemon1の2人で移籍したため、多少は期待されていると思いますが、選手に関係なく、優勝がチーム全体の目標です。確実に勝利を狙っていきます。