「インターナショナルリーグに向けアセンション優勝を目指す」VARRELに加入した理由や来年の目標をBlackwiz、xnfri、LOB、Kiehllk、Karu2kにインタビュー

BlackWiz、xnfri、LOB、Bangnanと新たなメンバーを迎え入れ、2024年シーズンに挑戦するVARREL。メンバーの過半数を入れ替える大規模な再編を行ったVARRELですが、VARRELに加入した経緯や来シーズンの目標をBlackwiz、xnfri、LOB、Kiehllkコーチ、Karu2kコーチの5名にお聞きしました。

本日はインタビューの機会をくださりありがとうございます。まず自己紹介をお願いいたします。

BlackWiz：この度VARRELに加入しました。BlackWizと申します。よろしくお願いいたします。

xnfri：DetonatioN FocusMeから移籍しました。xnfriと申します。

LOB：LOBです。よろしくお願いします。

Kiehll：サブコーチとして加入しました。Kiehllと申します。よろしくお願いいたします。

Karu2k：VARRLEのR6S部門からコーチとして加入しました。よろしくお願いいたします。

まずBlackWiz選手、xnfri選手、LOB選手に質問です。皆さん様々なチームからオファーがあったかと思いますが、その中でVARRELを選んだ理由を教えてください。

BlackWiz：昨年と比べ今年は少し成績が落ち込んでしまい、来年どうしていったほうが良いかと考えました。考えた結果、コーチと一緒に成長できるチームがいいなと思いました。そこでオファーをいただいた中で、VARRELが一番コーチ陣が良さそうだったということ、そして自分がやりたいことが出来るチームだったと言うことで選びました。

xnfri：BlackWizと少し理由は似ていますが、今年フランチャイズリーグでいろいろ上手くいかないことがあり、一度考え直してみようとなりました。そして昔のチームメンバー（LOB、BlackWiz）が集まったということと、このメンバーと一緒に頑張りたいなと思ったことがVARRELを選んだ理由になります。

LOB：単純な理由で、メンバーが良いと感じたからです。有難いことにインターナショナルリーグや他地域のチームからもオファーを頂きました。しかし、日本でのプレイは楽しいし、まだ学べることが多いと感じたことがVARRELを選んだ理由です。

ありがとうございます。3人が揃ったことが一番の理由と仰られますが、トライアウトやスカウティングの段階でメンバーを知った形になるのでしょうか？

BlackWiz：僕はトライアウトを受ける前に、既にトライアウトを受けていたLOBからどのようなメンバーが揃っていると言うことは聞いていました。僕よりも前に決まっていたメンバーたち（Zepher、LOB、Bangnan）は、既に知っていたと思います。

BlackWiz選手に質問です。今年度は昨年世界大会出場を経験したメンバーから大幅に入れ変えたロスターでの1年でした。振り返ってみていかがだったでしょうか。

BlackWiz：今年はどう頑張っても何も上手くいかないといったような苦しいシーズンを経験しました。コーチの変更やロースターの変更も大きな要因の1つですが、人間関係の難しさを痛感しました。

仕事だからといって仲良しこよしじゃプロは務まりませんし、自分たちが本当に心の底から信頼できると思って背中を任せられる人じゃないと、一緒に仕事ができないなというのを感じました。自分の実力が足りないといった面もありますが、今まで人にすごく恵まれていたなというのを痛感しました。

昨年、NOTHEPTIONのコーチを担当されたbailさんは、本当の父親のようにメンバーたちに接してくれました。困ったことがあったらすぐに相談できるし、お互いに隠し事がないような関係でした。コーチと選手が一緒になり物事を解決するという感じの方針をずっと取っていたので、意見が食い違って揉めたとしても、bailさんが解決してくれました。自分たちがどれだけ失敗しても、コーチと一緒なら大丈夫といった安心感がすごくありました。今年はそういう存在が消えてしまったというか、なくなってしまったような感覚に陥りました。

NORTHEPTIONから脱退された際、Twitterで「新しい環境で頑張ってみたいという欲が出た」と仰られていました。話せる範囲で結構ですので、その理由を教えてください。

BlackWiz：チームから脱退すること自体、すごく悩みました。当時何の実績もない状態の僕を拾ってくれましたし、様々な経験を積ませてくれました。オーナーが僕たちのことを非常に信頼してくれ、色々なことを経験させてくれました。

その恩返しとして、このチームで頑張りたいという気持ちがありました。またファンの人も去年の僕たちを見て応援してくれている人が多かったと自分は感じていて、自分の中で勝手に「僕はNOTHEPTIONにいないといけない存在」というのを感じていました。しかし、今年は様々な問題が発生しました。

その状況の中、自分は一度外に出て違う世界を見た方がいいんじゃないか、一つにこだわらなくてもいいんじゃないのと思いました。それが一度チームから離れてみようと決断した理由です。

ありがとうございます。次にxnfri選手に質問です。まずはパシフィックリーグお疲れさまでした。1シーズンを通してリーグで戦ってきたことは非常に貴重な経験になったかと思われます。振り返ってみていかがだったでしょうか。

xnfri：思う所は色々ありますが、一番は自分の実力不足を感じました。もちろんVALORANTはチームゲームですが、海外との差はまだまだ大きいなと思ったことが一番の感想でした。

今回の決断について様々な葛藤や悩みなどあったかと思われます。国内リーグ復帰を決断した理由などあれば教えてください。

xnfri：少し悪い言い方をすると、今年の自分はインターナショナルリーグに実力で行っている気持ちがしませんでした。開幕した最初の1年目だったと言うこともあると思います。

その心境の中で、自分の実力で優勝してフランチャイズリーグに再度挑戦したいなという気持ちが強く出てきました。そして日本に戻って鍛え直し、国内で優勝し、アセンションでも勝ち抜き、再度インターナショナルリーグに挑戦したいと思っています。

LOB選手に質問です。昨シーズンはFAV gamingで国内上位争いを期待されていたものの、Split 1、Split 2共にメインステージに進出することは叶いませんでした。振り返ってみていかがだったでしょうか。

LOB：結局、相性が一番大事だと感じました。個人個人がどれだけ強くても、相性が合わなければずっと負けが続きます。敵のレベルが上であろうと、下であろうと、結局負けが込んでしまったので、結局は相性が大事だなと感じました。

今回加入したVARRELには、AVALON Gamingでも一緒にプレイしたxnfri、BlackWizがいます。非常に相性が良いメンバーだと思っているので、来年を非常に楽しみにしています。

LOB選手は競技シーン黎明期から日本シーンで戦ってきました。今回4つ目の日本チームとなりますが、日本で戦い続ける理由を教えてください。

LOB：中国、インドネシア、東南アジアなどインターナショナルリーグのチームからもオファーを頂きました。しかし当時、首と腰のヘルニアも抱えていましたし、自分の体の調子の事を考えると、リーグチームに迷惑だと感じました。自分の体を大切にするためにも慣れた日本という地で戦った方が良いと思いました。

そもそも、中国や東南アジアでは言語の問題もあります。日本には知り合いも多いし、仲の良い人も多くいます。VCJで戦った方が楽しいですし、VARRELには元チームメンバーがいました。共に戦ってきた仲間たちで家族のような存在です。

BlackWiz選手、xnfri選手は昔から同じチームで活動されてきました。またこのタイミングで一緒に戦うことになり、どのように感じていますか？

BlackWiz：xnfriさんとまた一緒にプレイできることはとても嬉しいですし、これを望んでこのチームに来たというのも多少なりともあります。先程も話しましたが、今シーズンは人間関係で失敗したなと感じました。AVALON Gaming時代は仲が悪い、個人に問題があったといったことは無く、チームの都合で解散となりました。

プロとして生活が懸かっている分、みんなで一緒に続けましょうとも簡単には言えないので、泣く泣く解散したという感じでした。そこから一緒になるタイミングもなく、別々の道を進んできたので、また一緒にプレイできることを嬉しく思っています。

xnfri：LOBが言っていたように、個人個人がいくら強くても相性が良くなかったら上手くいかないと僕も思っています。僕が一番最後に決まったんですが、BlackWizとLOBと久しぶりにスクリムをしたら、自分のパフォーマンスがいつも以上に出ました。今後が楽しみだなと感じています。

ありがとうございます。それではチームメンバーに対するそれぞれの印象を教えてください。

BlackWiz：Zepherはチームのムードメーカーで、いつも明るくニコニコしています。Bangnanも同じ感じでニコニコしているような感じの選手で、2人して割とムードメーカーに近いですね。

xnfri：Zepher選手はチームの鍵になる選手だと個人的に感じています。また、Bangnanについては同じチームになるまでどのような選手か詳しくわからなかったのですが、トライアウトで一緒にプレーした時にかなり強い選手だと感じました。今後にすごく期待しています。

LOB：Zepherは明るくて、Bangnanは可愛い弟みたいな感じです。BlackWizとxnfriは付き合いも長いですし、家族だと思っています。雰囲気は本当に良いです。

ちなみに、チーム内言語は日本語でしょうか。LOB選手は非常に流暢な日本語を話されますが、昨年まで韓国でプレイしていたBangnan選手の日本語はいかがでしょうか？

BlackWiz：コミュニケーション言語は日本です。Bnagnanは少し片言ですが、日常会話とかは問題ありません。途中途中詰まっちゃうこともありますが、普通に喋れるレベルだとは思います。

Kiehllコーチに質問です。以前、FCSのインタビューの際はありがとうございました。今回VARRELに加入した経緯は英語と日本語のバイリンガルのコーチを募集していた背景があるのでしょうか？

Kiehll：以前はお世話になりました。FCSを取り上げて下さり、ありがとうございました。

はい、やはりその募集が大きいです。元々FCS、現在のLex Sixzのメンバーと一緒に新しくチームを探していく予定ではありましたが、VARRELのコーチ募集の要項が、コーチができることと、そしてもう一つが英語が喋れることの2つでした。

Les Sixzにいた頃の僕はコーチとしての経歴が浅く、かつFCSは初めてのチームでしたので、VCJでオープン予選は突破できたものの、自分のコーチとしての実力に疑問がありました。

また自信がついていなかったこともあり、誰かのもとで学びたいといった気持ちが出てきました。実はLes Sixzでも自分をセカンドコーチにし、新たなヘッドコーチを獲得しようといった話もありました。

そして当時、ヨーロッパのコーチを既に獲得していたVARRELは英語を話すことができるコーチを募集していました。元々セカンドコーチというポジションを希望していたため、英語も活かすことができ、かつヨーロッパのコーチから学べるという条件を見たときに、まさに自分がいるべき場所はここなんじゃないかなと感じました。

SCARZのFadezisコーチもリプライで自分に対してメンションしてくれたり、他の人からも「やってみたらいいんじゃない？」といった後押しもありました。Les Sixzのメンバーには申し訳ないという気持ちはありましたが、自分の成長のためにも、このチームを選びました。

Les SixzはRed Bull Home Ground 2023の日本予選でも、IGZIST、スタンドインを入れ出場していたVARRELを破るなど活躍されていました。元チームメンバーの躍進を見てどう感じますか？

Kiehll：正直めちゃくちゃ嬉しいです。Red Bullの日本予選では元チームメンバーに敗れる形になり、個人的には複雑な気持ちでした。

自分たちが勝ちたい気持ちももちろんありますし、チームの母体が決まっていない彼らがより活躍して目立って新しいチームを見つけてもらいたいなという気持ちとせめぎ合い、複雑な感情になりました。Red Bullでは負けてしまいましたが、次は絶対にリベンジしたいです。

VARRELには非常に聡明な5人のコーチ・アナリスト陣が揃っているかと思われます。それぞれの役割はどのように分担されているのでしょうか？

Kiehll：役割的にはPirateFlagがヘッドコーチというところで最終決定権を持っています。そして残りのコーチ陣はいろいろとそれをまとめていくといった形になります。hubukiさんが戦術、Karuさんがフィードバック、Eriiiさんがデータ的な部分を持ってきたりといった役割です。一応僕は翻訳に入る感じで、僕とPirateFlagでサポートしていくというのが現状の形になります。

次にKaru2kコーチに質問です。VARRELのR6S部門からVALORANT部門に移行し、コーチに就任されましたが、その理由など教えてください。

Karu2k：話して大丈夫なのか分かりませんが、VARRELのR6S部門から抜けたDD、Rentoに非常に信頼を置いており、彼らが抜けた後、コーチを続けるか、それとも他の道に進むかなど非常に悩みました。

自分が納得いかない環境で続けることは良くないと感じたため、チーム側に「他の部門で力になりたいです」と相談しました。すると、チーム側から「VALORANT部門のコーチはどう？」とお話を頂きました。まだ未熟な部分もありますが、自分のコーチ経験を何かしらで活かせるように、サポートしたいなと思って移行を決めました。

ここを活かせるなという点はまだ模索中ですが、R6Sを経験していた身からすると、R6Sの作戦や動きをVALORANTでもできるんじゃないかなと思うシーンもあります。またR6Sでは世界大会にも出場させていただきましたが、凝り固まってしまっている部分の対処やそのアプローチの仕方なども活かすことが出来るのかなと感じています。

ゆくゆくは自分の中のアイデンティティを確立してチームに還元したいなと思っています。しかしまだギャップはあります。まだそこに苦しんでいますが、頑張りたいです。

ちなみに、名前の後ろについている「2k」はCS:GOのStewie2k選手をリスペクトしてのものでしょうか？

Karu2k：その質問も稀に頂くのですが、実はCS:GOではなくR6SのBenjamasterがつけていたものから拝借しました。元々はCS:GOかもしれませんが、僕はR6SのBenjamasterが好きなので、彼から頂いたといったことにします（笑）。

ありがとうございます。Stewie2k選手かと勘違いしておりました（笑）。またVARRELはコーチ・アナリスト陣が5人とサポート体制が充実しています。選手陣から見てどのように感じていますか？

BlackWiz：正直まだ、コーチが多いという恩恵はあまり感じていません。多分コーチたちもまだ模索している段階だと思います。どこにも事例がない分、難しい部分だと思っていて、だからこそ、ここからどうなっていくのか楽しみというのがあります。色々な人の視点からフィードバックができるというところは強みではあるんですけど、他のチームでもできないのかと言われたら、そうではないと思うので、今のところはまだ模索中だと思います。

ありがとうございます。最後の質問となりますが、来シーズンからリーグチームとチャレンジャーズリーグチーム間で選手を貸し借りできるパートナー制度が導入されます。それに対する率直な意見を教えてください。

xnfri：実際にリーグに行っていた自分が言っていいのかわからないですが、多分本格的にやるチームは少ないんじゃないかなと思います。リーグチームからしてメリットがほとんどないように感じます。

BlackWiz：僕もあまり意味ないのかなと思ってはいるのですが、インターナショナルチームではない選手たちが戦うチャンスを得れるというのはすごく大きいと思います。しかし、普段から練習に参加しているわけではないと思うので、いきなりインターナショナルリーグに行って結果が出るほど甘い世界ではないように感じます。そこにお金かける意味はあるのかなと感じます。

実際には誰かが怪我をして急に出れなくなったときの保険で、国内トップレベルでパフォーマンスを出している人を使える権利を貰うぐらいの感覚になるんじゃないかなと思います。

長々とお時間を頂きありがとうございました。それでは今後の目標について教えてください。

BlackWiz：とりあえず国内で勝つことを目標に、インターナショナルリーグ出場を目指します。そこを目指し、練習に励みたいと思っています。

xnfri：インターナショナルリーグに向け、国内優勝とアセンション優勝を目標に頑張ります。

LOB：BlackWizとxnfriと同じです。まずは国内優勝、そしてアセンション優勝を目指します。

Kiehll：国内優勝、そしてリーグ参入。あとはLex Sixzにリベンジできるよう頑張ります。

Karu2k：チーム全体の目標は皆と同じで、個人としてはチームに対し多くのものを還元できるように日々の練習に取り組んで行きたいと思います。