先日、VALORANT部門の6人目の選手としてCigaretteS(cgrs)を獲得したPaper Rexですが、同部門のヘッドコーチを務めるAlecksのインタビューがEsports Drivenで公開されています。インタビューでは選手からコーチに転向した経緯や1日のスケジュール、今後の目標を語っています。
eスポーツ業界に参入した経緯をしえてください。
私は現在33歳と業界の中でも年配の方になるので、長い話になります。本格的にゲームを始めたのは16歳の時で、当時アジアではeスポーツ自体が発展していませんでした。そのため、当時から「eスポーツ」をしていたというと語弊になるかもしれませんが、サッカーで怪我をしてしまったことがこの業界に参入した経緯の1つになります。
怪我をして本当に暇だったので、Counter Strikeをひたすらプレイしました。ゲームが自分の中にある競争心を搔き立てました。そして26歳の時に初めてプロチームと契約しました。周辺機器やユニフォームが貰えるだけでしたが、「よし、本気でやってみよう」と決意しました。
プロとして活動を始め1年が過ぎましたが、勉強がしたくなったのでプロを辞め、シンガポール国立大学に進学しました。しかし、eスポーツの熱意が忘れられず、大学は中退しました。
Paper RexにはCS:GO部門の選手として加入しましたが、その後、f0rsakeNを獲得する機会があり、チームの代表に「Alecks、ありがとう」と言われコーチになりました。そしてVALORANTに転向し、今に至ります。
VALORANTのコーチとして、どのような業務を行っているのでしょうか?
eスポーツのコーチ自体が比較的新しい仕事なので、「これをやる」ということは明確に定義されていないと思います。私はとりあえず広範囲に業務を少しずつこなしています。今はチームにサポートスタッフがいないため、チームごとの対策や大会アーカイブ視聴、練習メニューの考案、監督業も全て行っています。そして、チーム全体で正しい方向に成長できるよう常に意識しています。
また「チームの全体的なお世話をすること」を常に心がけ得ています。チームメンバーはまだ若く、私は年齢的にもかなり年上ですので、彼らがこれから経験するであろうキャリアステップを経験しています。そのため、彼らの今後のサポートをしたいのです。
コーチに対する素晴らしい考えを教えて頂きありがとうございます。アジア、そして世界大会では数多くの強豪チームと対戦すると思いますが、どのように対策を立てているのでしょうか?
非常に難しい質問ですね。まずアジアのチームは、対戦相手ごとにエージェント構成を変えることが好きな傾向があるので、実際に試合が始まるまでじゃないとどんな構成や作戦が飛び出してくるのかが分からないことが多いです。
そのため、対策を立てることが非常に難しいです。またエージェント構成や作戦を1つでも変えてしまうと、動き方もガラリと変わり、別チームのようになります。相手もそれを考慮し作戦を立てているので、ちょっとした心理戦のようになっています。
とは言え、チームごとに作戦を変更することは非常に大変かつ難しいことであるため、自分たちのプレイスタイルを持つことが一番重要だと考えています。
Paper Rexは独特な作戦やエージェント構成を取ることで有名ですが、コーチとしてどのような考えをお持ちなのでしょうか?
他のチームと比較すると、デュエリストを2人起用することが多いので、試合展開が若干速いチームだと思います。他のチームは少し安全にゆっくりとしたプレイを好むので、相手が立てた作戦やアビリティを崩せることが多いですね。
対戦していて「難しい」と思うプレイスタイルなどはあるのでしょうか?
ゆっくり、慎重にプレイするチームにはいつも苦戦しています。FunPlus Phoenixがまさにそのスタイルのチームで、彼らは本当に忍耐強くプレイします。彼らは敵のミスを突くことが本当に得意なチームです。
コペンハーゲンで行われたMastersの決勝では、試合中に作戦を変更して戦いました。1マップ目でただ攻撃的に戦っても難しいなと感じ、何か作戦は無いかと常に考えていました。そして、少し試合展開を遅くし、ゆっくりと戦う作戦に変更しました。今の課題は「展開が遅いチーム」に対する作戦で、そういったチームと対戦する作戦を常日頃から考えています。
大会前や練習日にはどのような1日を過ごすのでしょうか?
朝7時頃に起きて、トレーニングルームでひたすらVOD(配信アーカイブ)を見ます。そして昼食頃に選手たちを集め、スケジュールや作戦の確認を行います。30分くらいで短く終わるように意識しています。そして、ウォーミングアップを行います。
練習の合間にニンテンドースイッチをプレイする時間を設けるなど、プレッシャーを取り除くことにも心がけています。練習の事を考えない時間を作り、楽しく良い気分で大会に臨むことを意識しています。
VALORANT Champions Tour 2022ではVALORANTに登場する全エージェントを起用した唯一のチームでした。敵チームに作戦を読まれないために行っているのでしょうか?
実は練習で様々なエージェント構成を常日頃からテストしています。ブリーズでフェニックスを使ってみたりして、楽しく作戦を考えています。しかし全てのエージェントをプレイして、敵チームを混乱させようとは考えていません。1つのマップに最低2~3つほどエージェント構成がある感じで、全エージェントで作戦を練っているわけではありません。
また、VCT 2022 Stage 2からVALORANT Champions 2022にかけては、ファンキーなエージェント構成を作ろうと心がけていました。敵チームに作戦を読ませないということではなく、他のチームが取らないようなエージェント構成を試すことで、試合を破壊したいと思っているだけです。
Mastersの決勝、対FunPlus Phoenix戦ではブリーズでヨル、フェイド、アストラ、ブリーチ、ネオンと変わった編成でプレイしました。その背景にはどのような考えがあったのでしょうか?
実はずっと練習していたエージェント構成でした。メタに逆らうことで意表を突くことができるか試してみたいと考えていました。
しかし彼らはサイファーを選択してきたので、フェイドをソーヴァに変えるべきだったなと今でも思います。サイファーは多くの情報を取ることができるので、それがチームに大打撃でした。
当時、ヨーロッパでスクリムをしていた時、殆どのチームがチェンバーを使用していました。そのためソーヴァではなくフェイドを使うことでチェンバーメタに刺さると思っていましたが、彼らはチェンバーではなくジェットとサイファーを選択してきました。なので、心理戦で少し負けたような感じです。彼らは本当に良いチームでした。
しかし結果は接戦でした。その結果にどう感じていますか?
まず第一に、十分な準備ができていなかったことがあります。裏話ですが、Aは自信がなく、Bに行くことしか考えていませんでした。しかし今ではたくさんの作戦を準備しています。今後ハーバーも使うかもしれません。
また、f0rsakeNにヨルをプレイしてもらいましたが、準備時間が少なかったと反省しています。バインドのヨルは3ヵ月練習していたため良いプレイができましたが、ブリーズでは2週間しか準備期間がありませんでした。より完璧な作戦にするには、もっとスクリムをするべきだったと思います。
VALORANT Champinos Tour 2023のフランチャイズリーグについてお聞きします。どのような意見をお持ちでしょうか?
インターナショナルリーグでは降格が無いため、アメリカのスポーツを参考にしていると予想しています。同じチームが常にリーグで競い続け、ファンやコミュニティを形成していく形はそれに近いと感じました。
VALORANTのフランチャイズはアジアにとって非常に良いシステムだとは思います。特に韓国や日本には大きなコミュニティがあるので、良い方向に進むと感じています。また私たちのチームが選出され本当に良かったと感じています。アジアには最低給与が定められていなかったため、大会規約でそれが設定されたことは非常に良いと思います。それに16歳の若い選手でも結果させ出せば、更に上に行くことができるため、全員にチャンスが与えられていると感じました。
参考:インターナショナルリーグは各地域ごとで最低年棒が設定されており、パシフィックリーグの最低年棒は6,700万ウォン、日本円で約675万円(参考記事)。
今年は新マップ「パール」が実装されました。パールに対する感想をお聞かせください。
非常に気に入っています。私たちのチームはパールが好きで、選手は皆喜んでプレイします。いつでも好きな時に入って戦える、こういったマップが大好きなのです。
先日には新エージェント「ハーバー」がリリースされました。Paper Rexのようなアグレッシブなチームに合致すると思いますか?
間違いなく、相性は良いと思います。3つのアビリティ全てがスモークや視界を遮るエージェントは初めてだと思います。私たちは2デュエリストが多いため、スモークアビリティを多く持つコントローラーが増えることは非常に助かります。
またプレイしていて楽しいエージェントだと思います。コントローラーの選手はよりクリエイティブなプレイができるようになるでしょう。
対戦したいチームはありますか?
他地域のチームと対戦したいと常に思っています。現世界チャンピオンのLOUDとは対戦できなかったことは今も悔いが残ります。しかし今、当時のメンバーは解散してしまいました。今はSentinelsと対戦したいですね。
短期目標、そして長期目標を教えてください。
とにかくタイトルを勝ち取りたいと思っています。できればMastersではなく、Championsで優勝したいです。また短期的な目標は、ブラジルで行われるキックオフトーナメントで優勝したいと思っています。
そして、チームが望む限り、Paper Rexでコーチを続けたいと感じています。他のチームに移ることは現時点で考えていませんが、今のチームに満足していますし、チームが世界で活躍できるよう今後も尽力し続けます。
素超す?
返信削除あと、咲く全ってのもあった
読みやす買ったです
コメントありがとうございます。修正いたしました。
削除シンガポール国立大学って日本の東京大学てきな?
返信削除アジア1位だから何なら東大より上
削除シンガポール国立大学は、1905年に設立されたシンガポールの総合大学である。大学評価機関クアクアレリ・シモンズ「2022年世界大学ランキング」では、シンガポール国立大学が世界11位、アジア1位の評価を得ている。
削除https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%9B%BD%E7%AB%8B%E5%A4%A7%E5%AD%A6
東大は世界23位、京大は33位らしい
削除この人の構成なにがしたいのかわかると面白くて好き
返信削除今後も楽しみ
benkaiってどうなるの?まだprxにいるけど
返信削除まだジョークって気付いてない人いるんや
削除もしかして本気でキャスター転向すると思ってる?w
削除yay引退すると思ってそう
削除聞いただけでこんなに言われるのかわいそうだ
削除yayと違って公式キャスターも言ってたから信じる人が出てくるのもしゃーない
削除ただMastersで引退するって言ってたのにChampions出てきた時点で嘘だったんだなって気づこうな
チームとしては異色だけどそれでいて強いってのはやっぱ凄いコーチなんだなぁ
返信削除シンガポール国立大学ってまじか
返信削除コーチってやっぱ頭いいんだな
来シーズンもあっと驚かせてくれる構成や戦い方を見せてくれるだろうという期待があるよね
返信削除コーチも選手達も全員良いキャラしてるからPRX大好きだ
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